トップアイドル・神崎美月のスペシャルライブ当日. ライブにゲストとして登場することになっていた星宮いちごは, 直前のリハーサルでもスペシャルアピールを2回しか出せず, 美月の足手まといになるのではないかと焦りを感じていた. そこに親友の霧矢あおい, 紫吹蘭, 有栖川おとめと担任のジョニー別府が激励に訪れ, 自分らしくライブを楽しむことを決意する. 遂にいちごの出番となり, 1曲目の「アイドル活動!」では美月と共に3度のスペシャルアピールを出すことに成功する. 2曲目の「Signalize!」では, 「1度に出せるスペシャルアピールは3度まで」という制約を超えて美月は4度のスペシャルアピールを行い, 飛ばし過ぎて疲労し, 意識を失いかけたいちごをカバーする. 間近で美月のパフォーマンスを見て感動しライブ後日もしばらく放心していたいちごは, 目指すトップアイドルの凄さを再確認したことで更に頑張ることを明るく決意するのだった.
伝説.
あおいや蘭は, 控室でいちごから「スペシャルアピールが3回出せない」という悩みを聞かされた際に, いちごがこんなにも高いレベルで悩んでいる, ということにそもそも悩んでしまいそうです. あおいと蘭がこの時点で一度のライブで何回スペシャルアピールを出せるかは分かりません(1回ではないかと思います)が, 美月に近付こうと特訓を重ねてめきめき実力を付けるいちごに一度屈折してしまった私なら焦りを感じたろうなと思いました. あおいや蘭(そしておとめ)も今更その悩みに対して技術的なアドバイスをしようということは思っていなくて, 普段のいちごの実力がそのまま出せるように, いつものいちごと今のいちごの違いを指摘します(ライブを楽しむことを思い出させる). 彼女たちももういちごが本番に一番強いということを知っていて, いちごへの全幅の信頼を感じます. 緊張すると普段通りの動きや思考が出来なくなること, ありますよね……! 私も野球で投手をしていた際にブルペンと実際のマウンドで投球のフォームが異なることを指摘されたことがあり, 自分では全く気付いていなかったので助かった経験があります.
そして実際にぶっつけ本番でいちごはスペシャルアピールを3回出しておじさんは泣きました. そして2曲目の「Signalize!」でいちごが飛ばし過ぎて朦朧とするシーン, いきなり音楽が歪んで目の光が失われたので本当に怖い……! いちごの異変に直ぐに気付いた美月が微笑んでスペシャルアピールでカバーした時には心から安心しました. このシーンは何回か見直しましたがいつ見ても心がきゅっとする感覚に襲われます, もし私が対象視聴者層の女児であれば即死していた可能性もあるほどスリルのあるシーンでした. いちごもその後はスペシャルアピールこそ出来ませんでしたが, 「伝説になる」と感じた美月のライブを少しでも盛り立てようと自分の役割を全うします. このシーンは本当に感動したのですが, その理由は再び非常に個人的な理由によるので今は割愛して, とりあえず視てください(といってもアイカツ!はもはや昔のアニメでオタクにとっては教養であるという雰囲気すら感じているので, この感想を読まれている方は既に視聴済なのではないかと想像します).
そしてぶっつけ本番で3度のスペシャルアピールを出した新人のいちごに刺激を受け, 美月は従来の限界を超えて「Signalize!」では4度のスペシャルアピールを出すことに成功します. そのうちの1度は朦朧として倒れかけたいちごをカバーするためのものだったので, 美月はいちごの頑張りに応えようとしたからこそ自分の限界を超えること出来たということになります. 学園長も言ったように, 本当に壁を越えたのは(いちごもそうですが)美月でした. だからこそ美月もいちごに「ありがとう」と感謝します. 他人から刺激を受けていつも以上の力を発揮するという, いちごが蘭やあおい, おとめと共に積み重ねている経験が, 長くトップアイドルとして君臨している美月にとっては久しぶりだったのでしょう. いちごはいちごらしくあることで周りに影響を与え続けていますが, いつの間にか目標とするトップアイドルにまで影響を与える存在になりました……すごい! しかし美月もMove on now!の後のステージ裏で水を飲み, 酸素吸入を行い, 直ぐに準備をしてファンの前には完璧な姿を見せ, しかもいちごのカバーまでする, 前話の感想からますますどうして美月がここまで頑張り続けることが出来るのか気になって仕方がありません. 今のところ, 美月の「人間らしさ」が余り描かれているのか分かりません. いちごには, 影で努力しているシーンから始まり, 悔しいという気持ちを持っていること, 時にはご褒美としてアイスを食べたりすることを打ち明けていますが, その告白もどことなく計算された人格に思えるような……. 美月はトップ中のトップアイドルであるという印象からそう感じてしまっているだけで, 本当はそうではないのかもしれません. 毎日早朝から夜まで分刻みのスケジュールで仕事をこなしていて, 常に「見られる」ことを意識しているであろう美月に, 良い意味で油断というか, 他人の気を緩めるような場面が今後はあるのか, 楽しみです(極端に言えば, 今までの彼女の行動は全て「トップアイドルであり続けるため」, その一点のみを目的として成されているように思えます. それが本当に彼女の全てなのかが気になっています).
いちごの母はライブを見終えて神妙な面持ちになっていましたが, これはいちごではなく限界を超えて伝説に達せんとする美月に対しての表情なのでしょうか. 以下の箇条書きにも書きましたがもういちごの母が伝説のアイドル・マスカレードの「みや」ということで良いと思いますので, 伝説として, 過去の自分が居た域に辿り着こうとする美月に何か感じる所があったのかもしれません. まさか, その域に達するためにはまだ必要なことがあるのでしょうか……?
そしていちごは間近で美月のパフォーマンスを見て美月に改めて惚れ直した感があります. あおいと蘭が心配していたように美月との圧倒的な実力の差を見せつけられて落ち込んでいたというようなことはなくて, やはりいちごは「差がある」と分かって絶望するよりは「差がどれくらいなのか分かる」, 例えそれが上から評価できなくても, 差がどの程度なのかより理解できたことでトップアイドルを目指して一層頑張ろうと思えたみたいですね. ところで, あおいと蘭がそういう, 「実力差があると落ち込む」という, いわゆる普通の思考をしていて少しだけ安心した卑屈な自分がいます……. やっぱりひたすらに正しく前向きな思考が出来るいちごは凄いんですよね, 一種の才能というか(余り才能という言葉は用いたくありませんが, 本編でも学園長がいちごに対して「天性」という言葉を用いたことに倣います), 本来ならばあおいと蘭が想像したような落ち込み方をしていても全くおかしくはありません. しかし一方で考えてみるとその落ち込みには本当に意味があるのだろうか疑ってしまいます, いちごのように, ひたすら「やる」しかないのではないか, そうすることでしか目指す頂上には辿り着けないのではないか, そういう思いもあり複雑です……. アイカツ!は深い…….
18話以降も楽しみです. 次回はバレンタイン回!
・いちごは「スペシャルゲスト」という位置づけなのですね(今日はスペシャルゲストォ……).
・いちごのお母さん(りんご)の思わせぶりな台詞と学園長の乗る車とすれ違うシーンからして, 伝説のアイドル・マスカレードの「みや」は彼女という事で良さそうですね.
・机に両肘をつき, 両手に顎をのせてすまし顔の蘭(GOOD) さらにジト目(PERFECT)
・ところで私はてっきりいちごは「前座(ライブではオープニングアクトと言った方が伝わるでしょうか?)」として登場するものと思っていました. しかし控室でおそらく一番の人気曲であるMove on now!が聞こえてその次から登場ということで, 熱気が最高潮に達した会場で, スペシャルゲストとして歌を歌ういちごのプレッシャーたるや…….
・らいち, 良い弟過ぎる…….
・いちごは1曲目の「アイドル活動!」で「キュートフラッシュ」と「エンジェルアロー」というスペシャルアピールを, 2曲目の「Signalize」では「クールフラッシュ」というスペシャルアピールを行います. クールフラッシュを出した時点で学園長が「飛ばし過ぎ」とコメントしますが, それはこのアピールが1曲目から合わせて4度目であることもありますが, いちごの属性(キュートだと思っています)と異なるアピールをするのはキュートのアピールよりも体力を使ったりするからなのかな, と想像しました. ところで当初の予定ではいちごのスペシャルアピールは「1曲目で3回, 2曲目は0回」だったのでしょうかね? 1曲目のリハーサルで3回出そうとしていることは分かりましたが, 2曲目についてはリハーサルのシーンもなかったので把握できませんでした.