星宮いちご, 紫吹蘭, 有栖川おとめ, 藤堂ユリカの4人は, 伝説のアイドルであるマスカレードが主演したことで有名な映画「おしゃれ怪盗スワロウテイル」のリメイクの主演を決めるオーディションに参加することに. オーディションではチームワークが重要になると考えるいちごたちは, いけない刑事の仕事でオーディションには参加できない霧矢あおいに助けてもらいながら練習を重ねるも, 吸血鬼のキャラを貫くユリカが練習にほとんど参加しないまま本番を迎えることになる. オーディションは山の上の古城で行われ, 大広間にある美月の盗まれたアイカツカードを怪盗として取り戻すというものだった. 4人は道中で様々な罠に遭うも何とか切り抜け, ユリカの大胆な演技もあって大広間に辿り着く. 大広間ではセンサーが蜘蛛の巣のように張り巡らされており, アクションの練習を全くしていないユリカがセンサーに触れかけるも3人に助けられ, 美月のアイカツカードを手にする. しかし,アイカツカードを取った瞬間に警報が作動し, 4人は瞬く間に警備員に囲まれてしまう. 外に用意された気球で脱出を試みる4人だったが, そこにいけない刑事のあおいと神谷しおんが現れて4人を確保しようとする. 何とか全員が気球に乗り込んだものの, 今度は定員オーバーで気球が落下を始める. そんな中でいちごとおとめはカードを蘭とユリカに託して自ら気球を降りる. その姿に感銘を受け, 4人で美月にカードを届けるためにユリカと蘭も気球を降り, 4人が集まったところでオーディションは終了. 結果としてはいちごとおとめがスワロウテイルに選ばれ, 全員が演技の心得を手に入れることができたのだった.
19話の感想でも言及したように, 蘭とユリカはある意味で似た者同士であり, 良い関係性が築けそうだと思っていましたが, さっそくそういう話が来ましたね……!
ユリカは吸血鬼を演じている際はかなりキャラに奔放で, チームワークが大事と言われても練習に参加しないようですが, 素が優しいぶん部屋では一人で反省会を開いたりしてそうです. 蘭も「絡みづらい」も言っていましたが, その怒り方もキャラクターを尊重していて, ユリカの吸血鬼キャラ上走っている姿や努力している姿を余り他人には見られたくないのではないかということを考えての発言でした. しかし, 反感を買うことを分かっていても貫き通す意志の強さを持っているユリカを褒めたくもなりますね.
ただ, 最後の今週のアイカツ格言で言及されていますが, ユリカは走り込みをはじめたようです. もしかしたら深夜に獲物を求めてという設定で走り込んだりするのかな……と思っていたら, 事情を汲んでか蘭が傘を「持ってやるよ」ですって……惚れる……! それに対してお礼を言うときに素に戻ってしまうユリカ様も良いですね, ユリカ様が「なくなくもなくってよ」みたいに否定に否定を重ね始めたら素の自分と吸血鬼キャラの間で揺れているのだと勝手に思っています. いちごは「いちごはいちご」というあおいたちの度重なる評価にあるように, 異なる人格を演技することはその滲み出るいちごらしさから難しいのではないかと思いますが, ユリカもキャラの設定上難しいのかもしれません. 実際, オーディションで怪盗という役割を与えられているにも関わらず, 令嬢に扮して大勢の警備員たちを口先で出し抜くシーンでは自身の吸血鬼キャラを存分に活用しています. 監督には好評だったようですが学園長には呆れられていました. その後もセンサーに触れないように四苦八苦するシーンでも「満月の夜であれば蝙蝠に変身できるのに」と嘆くなど, オーディションでは徹底してその吸血鬼キャラを貫いていました. 例えば三ノ輪ひかりはいわゆる地下アイドルとしてメジャーシーンには登場しなかったり, しおん(今回は久しぶりの登場でしたね!)は七つの顔を持つと評される演技派の女優として活躍, というように, 学園のアイドルはその個性を活かして尖った活躍を見せていて, ユリカもそういうタイプなのではないかと思います. いちごやあおいは何にでもチャレンジしているような印象を受けますが, それはまだ彼女たちが編入組で, その可能性を探っている段階だからという理由も考えられますね.
今後も蘭とユリカのペアをもっと見たいですね! ユニットを組むには至らずとも2人でステージに上がる回があれば嬉しいです. 今までのアイカツ!では誰の間も不仲になることになく, 皆で協力して高め合うという描写が目立ちましたが, 蘭とユリカについてはこれからも衝突し合いながら仲良くやって行って欲しいですね1. いけない刑事ではあおい(としおん)が, そして今回のおしゃれ怪盗スワロウテイルではいちごとおとめが抜擢されましたので, 今度は蘭とユリカの番なのではないでしょうか?
22話以降も楽しみです.
今回は余り時間がなく感想がユリカに集中してしまいました. 後日追記します.
・swallowtailが「アゲハ蝶」であることを初めて知りました. swallowが燕で, tailは尾なので「燕尾」であることは分かり, 執事さんが着用する燕尾服をswallowtailと呼ぶのだろうかと考えましたが, 言われてみれば確かにアゲハ蝶の羽にも燕尾らしい箇所がありますね. これからアゲハ蝶をswallowtailと呼ぶに至ったのですね.
・それにしてもあおいが忙しくいちごと同じオーディションに参加できなくなったり, 段々と道は別れてゆくのですね……
・しかしマスカレードという伝説のアイドルが主演の映画をリメイクするとは, 主演にかかるプレッシャーがすごそうです……! それにしてもいちごはオリジナルのおしゃれ怪盗スワロウテイルを見て, みやのことに気付かないのでしょうか?
・この怪盗の衣装, (自主規制)
・鉄球が本物だと知って驚くユリカ, 可愛すぎる
・ユリカと並走して弓矢から逃れる蘭の腰の描写が(自主規制)
・ユリカ様に直撃した矢は先端が吸盤になっていたのでその他の仕掛けにも救済措置があると考えられますが, それにしても鉄球はどういうことなのでしょうか……人に直撃しそうになったら床が抜けて鉄球が落ちるとか?
・大胆な変装は怪盗の特権……ユリカには高飛車お嬢様が似合いますね. ところで変装してボディガード達を突破したユリカの演技に学園長は「藤堂……」と少し呆れた様子でしたが, 本来はどうするのが正解だったのか気になります. 衣装が用意されているということは, やはり蘭が言ったように一人がドレスを着て囮となりボディーガードの注意を引き, そのうちに残り3人が奥に進むというのが想定されていたのでしょうか?
・いちごが気球に上がるシーンとか全体的にアクションがすごい
・いちごが定員オーバーで気球を降りるシーンもあったように, このオーディションでは「人数を2人に絞る」仕組みが幾つかあったのではないかと思います(上の囮の話しかり). しかしながら脱落してしまうとその人は選ばれないということになってしまうとちょっと可哀想ですよね……. そういう点で, いちごは自分が選ばれないかもしれないと思いつつも気球を降りる選択をしたのが素晴らしく, その決断はスワロウテイルのキャラクターそのものだったのですね.
・ところで今話はマスカレードのみやの声が入っていたのにエンドロールにはクレジットがありませんでしたね. 一応, ネタばれ防止でしょうか?
私オタクは「不死者が人間と恋仲になり, 最後には不死者が人間の死を看取る」という展開が無条件に好きなので, ユリカがひょんなことから本当に吸血鬼になって蘭たちを順番に看取ってゆくという展開を想像して涙するのですが, そういう二次創作はありますでしょうか? また私は本当にユリカが吸血鬼だったという展開もたまに想像します(有り得ませんが……). ↩︎