毎日アイカツ!「第24話 エンジョイ♪オフタイム」

(記事作成日時:2021-05-28 19:45:02 +0900 JST)

概要

久しぶりのオフを向かえ, 3人で温泉に日帰り旅行をすることになった星宮いちご, 霧矢あおい, 紫吹蘭. 新幹線と電車を乗り継いで最寄り駅についた3人は, バスに乗って目的地の温泉へと向かう. その道中, バスから眺める田園風景に癒されるうち, 一面の菜の花畑を見つけた3人は途中でバスを下車して菜の花に囲まれながらお茶会をすることに. 3人はあおいの持参したタルトとアールグレイを堪能し, 穏やかな時を過ごしているうちについ昼寝してしまう. 起きた3人は予定の時間を大幅に過ぎていることに気付き急いでバス停に向かうもバスは1日に4本しかなかったため, 温泉は諦めて駅まで歩くことになった. 3人の為に色々な道具を準備してくれたあおいのキャリーバッグを代わりばんこに持ちながら駅まで歩いていたところ, 3人のファンだという子供が乗る車に好意で乗せてもらって無事に帰途につく. 帰りの新幹線では, いちごが父親が日本に帰ってくるという連絡を受けたのだった.


感想

オーディションやライブで多忙な毎日を送る3人の休日が描かれた回でした. 新幹線に乗る際に蘭が制服姿の女子高生から話しかけられるシーンがあったので(またバス停の時刻表では平日の時刻表を見ていたので)3人が旅行に出かけたのは平日で間違いなさそうです. 日々アイドル活動に邁進している彼女たちには休日が余りないのでしょうか. 仕事がある以上, 長期休みというものも学園は休みになるかもしれませんが余り無いのでしょうね. レギュラー番組があれば定期的に収録があったり, ライブがあればその週には何度も打ち合わせやリハーサルがあったり, 想像するだけで忙しいです.

ふつうの女子中学生であれば, 部活に忙殺されることはあれど長期休みにはみんなで出かけたりすることができます. しかしいちごたちにはそういうオフの描写が今話までほとんどありませんでした(強いて言えばお正月くらいでしょうか?). そもそも, 学園外に出る際には確か届け出をジョニーに提出する必要がありましたよね. しかも外出する際には今回(や22話)のように変装をして周囲に注意を払わなくてはならないのでしょうし, 年頃の女の子として普通に外出して遊びたいという思いを持っている学園の生徒もいるのではないでしょうか.

蘭が田舎の温泉を目的地に上げたのはそのような理由ですよね. 誰も自分を知らないところに行きたい, 看板を下ろしてリラックスしたい……そういう思いは, 子供の頃からモデルとして活動している蘭は人一倍強いのかもしれません. いちごやあおいたちのように心を許せる友達ができて本当に良かった(保護者面).

アイドル活動をしていると代償もたくさんあると思います. 私なら代償のほう, 即ち行動した場合の損をまず想像してしまいますが, そういうシーンが今まで無かったことがいちごたちがアイドル活動に賭ける思いの強さを表していると思います. 「損をした」と感じることは自身の感情と行動を過剰に制限することにも繋がります. いちご(たち)の素晴らしさは, 損得で動かず, 心のままに素直に行動できるところにもあると思います.

今回の旅行を思い返してみましょう. 温泉を目指すバスの途中, いちごの思い付きで菜の花畑に降り立ってお茶とお菓子(それとお昼寝)を満喫することになりました. しかし寝過ごしてしまい, バスは1日4本しかなかったために彼女たちは温泉を諦めて徒歩で遠い駅まで歩くことになってしまいます. 道中で幸運にもファンの女の子が乗車する車に乗せてもらって駅に辿り着くことができ, 帰りの電車では夕日を浴びて煌めく海を見ることが出来ました.

もしいちごが菜の花畑に魅了された時に, 用意周到に駅前のバス停の時刻表を思い出し, 良い時間にバスがなさそうだから降りるのは辞めようとなれば一連の出来事は起こりませんでした. 菜の花畑のお茶会も, お昼寝も, ファンの女の子との出会いも, 夕日を反射し輝く水面も, 全ていちごたちが選んだのです. おそらくあそこでバスに降りなければ, いちごはその日じゅうあの菜の花を思い浮かべながら動かなくてはならなかったのではないでしょうか. そうして起こった色々なことを思い返しながら帰途についた3人は微笑みあいます. 人生を感じる瞬間ですね.

あおいはバスの時刻表を調べていなかったことを反省していました(乗車するバスの時刻表を写真を撮影しておくべきだったのでしょう). あおいは前日に予定を立てると宣言していたので, 今日のためにきっと綿密な予定表を計算していたのでしょう. それでいて, いちごの思い付きのように予定外の出来事もちゃんと許容できる余裕を持っているというのは本当に尊敬します. 予定を立てると, ついついそれ通りに動かないと予定を立てるのに掛けた時間が「損」だと思いがちです. これも言わばあおいが損得で動いていないからこそ――あおいの準備は別に損をリカバリするためのものではなく, 3人でもっと楽しめるようにするための準備なのですよね. だから予定を外れても3人が楽しければ良いという訳です1. あおいは友人のことをほんとうに思いやれる優しい子で, 毎回その人間性に涙しています…….

25話以降も楽しみです. 次回はいちごの父親登場!?


その他(箇条書き)

・冒頭の歌の導入に驚きました. てっきり童謡でも始まるのかと……

・温泉シーンがあると期待した愚かな人間たちもたくさんいたのではないかと思います. 私もです.

・プラットホームの蘭, 遠めでもアイドルのオーラが出ていますね! と思っていたらさっそく一般人に声を掛けられました.

・あおいが色々なものをちゃんと3人分を用意しているのが良いですね. 他人の分まで道具を準備してくれる人はなかなかいませんし有り難いです.

・サロペットという概念を初めて知りました! (というか, あれをサロペットというのですね!)

・帽子に抑えつけられていたいちごのリボンがぴょんと跳ねる瞬間(SO GOOD)

・蘭が好きなものを最後に残しておく派だというのは前にもありましたが, どの回でしたっけ……? 確かその時はトマトを最後に残していましたよね.

・都会の子供はバスの運賃が固定されているので整理券という概念を知らないというのはけっこう都市伝説に近いと思っていたのですが, やはりあるのですね……! 私の地元は整理券だったので, 距離が違うのに運賃が同一なことに違和感を覚えます. また菜の花畑も地元にたくさんあったのを思い出して懐かしみました…….

・ところで菜の花畑でアールグレイを嗜む3人ですが, お湯はどこにあったのでしょうか? あおいがキャンプ用のコッヘルやバーナーを準備していてもおかしくなさそうです.

・田舎のバスは1日に3~4本しかない, これは本当です. 私の地元はそこまでではなく1時間に1~2本はありましたが, 集落の奥の方まで行くとなると今話にあったような程度の頻度, あるいは自分で電話をして予約するような(~~号と名のついた)小型のバスしかないようなところがありました. 田舎は何せ車社会なので, 自分の車を持っていないと行動範囲が大幅に制限されてしまいますよね.


  1. ところでこのような「用意」の話を考える際には, 匿名ラジオの以下の回を想起しました. ARuFaさんは用意を入念にすることで知られています. また24話の予告はオモコロチャンネルのサザエさんの次回予告を予測する会の恐山さんの「陀陀切峠へ」と全く同じ展開で驚いています.

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