毎日アイカツ!「第27話 開幕☆フレッシュガールズカップ」

(記事作成日時:2021-06-01 07:15:36 +0900 JST)

概要

フレッシュガールズカップは毎年恒例のイベントで, 学園の生徒全員でスターライトクイーンと呼ばれる学園のナンバーワンアイドルに挑戦できるイベントである. 現在のスターライトクイーンは神崎美月であり, 彼女は入学当初に当時のスターライトクイーンに勝ってから2年連続でスターライトクイーンの座を手にしていた. 星宮いちごと親友の霧矢あおいは編入組のため今年が初挑戦であり, 紫吹蘭から去年の美月の凄まじさを聞かされる. そんな中, いちごたちの担任であるジョニー別府から, 今年のスターライトクイーンカップでは「ジョニーが指示するタイミングでスペシャルアピールを3回出すこと, 出せなかった時点で失格」という追加ルールが発表される. それぞれが3回のアピールを出すためにハードなスケジュールで課題に取り組むなか, いちごは何かが足りないと感じ始める. そんな中, 弟のらいちから電話でいつもと違って楽しそうではないと言われ, 自分に足りなかったのはアイドル活動を楽しむ気持であると気付く. 本番ではいちご, あおい, 蘭が3回のスペシャルアピールを出して合格し, 翌週の準決勝へ勝ち進むことが出来たのだった.


感想

ジョニーが追加ルールを発表してから皆がスペシャルアピールを3回出すために努力を重ねます. スペシャルアピールは一度のライブで(通常であれば)3回までという限界がありますし, 第16~17話(詳しくは第17話の感想をご参照ください)では「3回のアピールを出すこと」はいちごにとって相当の難題だったことを思い返すと, 追加ルール発表時点で3回のスペシャルアピールを出せる人はほぼいなかったのでしょう. そんなにたくさんの人に勝ち抜かれても困るのでこのような厳しい基準になったのだと思います. 実際に勝ちぬいたのはいちごとあおいと蘭の3人のみでした. 特にあおいと蘭が3回のスペシャルアピールを出したシーンは今話が初めてでした! 親友であるいちごが16~17話で3回のスペシャルアピールを出したことが彼女たちにとって良い刺激になったのだろうなと思います(17話の感想でも言及しました).

美月は3回のスペシャルアピールを確実に出すので, そもそも3回のスペシャルアピールを出せないようでは勝負にならない, ということなのでしょうか. しかしいちごが17話で3回出せるようになり, 今話であおいと蘭も出せるようになって, 着々と美月の下の世代が育っているという感じですね. 誰か一人が難題を突破すると他の人もそれに刺激を受けて挑戦して出来るようになるというのはよくあります. 「誰もやっていないこと」と「誰かがやったこと」では, 挑戦する際の心理的負担がだいぶ異なると思います. 後者の場合は, どうやってやったのかは分からなくても常にどこかに道があることを意識できますし, 道が示されているのであればなおさら勇気づけられる部分もあります. そういう事につけて思うのは先駆者の偉大さで, 美月が3回を確実に出せるようになったからこそいちごも3回出せるようになり, いちごが出せるようになったからこそあおいと蘭も3回出せるようになったのですね. スペシャルアピールを3回出すことは次第に当たり前のスキルとして浸透してゆくのでしょう. このような進歩は単純に凄いと思う一方で一抹の寂しさも感じます(これが老いですか?).

先駆者が道を切り開き, 後の人々は先駆者が整備した道を通り, いずれ彼・彼女たちが先駆者となる――絶えることない更新の波に先駆者の業績は忘れ去られがちです. 美月が凄いのは移り変わりの激しいであろうアイドルの世界でずっと頂点に立って他のアイドルを牽引し続けていることですよね. 皆は美月がいるからこそアイドルがその域までは到達できることを知っています. 才能があるからと切り捨てることも出来ますが, 少なくともいちごやあおいは第3話で見たように美月が尋常でない努力の積み重ねによってトップアイドルに辿り着いたことを知っていますよね.

一方で, 難題と向き合っている際は常に難題に取り組んでいる自分――その一挙手一投足, あるいは出来ない自分への不甲斐なさといった自意識――に意識が向けられます. しかしアイドルとして舞台に立つ以上, そういう真剣さ, 自分に没入することも大事ですが, まずアイドル活動を楽しまなくては観客を楽しませることもできない, というのがいちごがらいちに指摘されて気付いたことでした. 私も自分に没入することがよくあるのですが, 一方でひとから見られると緊張して動けない悪癖を持ち合わせているため, 「自分に見られて動けない」という感覚に陥ることがあります(蛇に睨まれた蛙ではありませんが……). 一方で本番(今回で言えばオーディション)のように我を忘れて没入するものに対しては, 終わった後で以前との自分とは異なっていることに気付くことがあり, これが成長と言うのだなと実感します. いちごたちのこれからの成長が楽しみですね……!

28話以降も楽しみです. 次は月と鼈の回……?


その他(箇条書き)

・ダンスの先生は意地が悪いキャラという印象がありましたが, 左近のファンなのですね……. 名前は今まで知りませんでしたが浅倉美和先生と仰るそうです, 一昔前のアイドルのようなお名前ですね(大偏見).

・ユリカがにんにく拉麺を我慢している姿を見て, 二次創作にユリカのラーメンレポ漫画がありそうだなと思いました. その場合, 「ニンニクいれますか」「いれないと血を吸うわよ!」というやりとり, あるいは「ニンニクいれますか」から行うトッピングの詠唱に吸血鬼の呪文が混じっていると予想します.

・スターライト学園からエンジェリーマウンテンまで何キロあるのでしょうか……?

・おとめ, 懸垂が出来てすごい! ……と思っていたらユリカが更に凄まじい腹筋をしていました. 自重を使ったトレーニングって究極的には逆立ちあるいは宙づりというか, とにかく自分の体重を全てかけることになりますよね.

・らいちのいちごの真似, 表情がめっちゃ似てます……. やっぱりらいちは女装が(略)

・私はてっきりおとめ, ユリカ, さくらも勝ち進むと思っていたので, 最後のスペシャルアピールが出せなかったときに思わず声を上げてしまいました……. 特におとめは去年は1回しか出せずにいたのに今年はせっかく2回出せたのに, 3回目が出なくて失格とは凹みますね…….


アイカツ