毎日アイカツ!「第34話 Hello☆スーパーアイドル」

(記事作成日時:2021-06-13 10:25:12 +0900 JST)

概要

神崎美月のユニットであるTristarのメンバー選抜オーディションに突如として空から降り立った一ノ瀬かえでは, アメリカに全土展開する高級寿司チェーン「かえで寿司」の社長の令嬢であり, アメリカのスーパーアイドルだった. かえでは美月がユニットを組むと知ってスターライト学園への編入を早めたのだった. オーディションはすでに開始してしまっていると告げるジョニー別府に対し, かえではアメリカで独自に挑んだメンバー選抜オーディションの映像を見せ, 美月はかえでのオーディションへの途中参加を承諾する. 溢れ出るアイドルのオーラ, アメリカでのど迫力のオーディション, それにダンスの実力も飛び抜けており, 霧矢あおい紫吹蘭は(星宮いちごを除いて)いきなり現れたスーパーアイドルに物怖じしてしまう. そこでかえでのことをもっと知るためにかえでの部屋をちょくせつ尋ねることにしたいちご, あおい, そして蘭は, かえでが誰よりもどんな時も人を楽しませることを大事にしていることを知る. Tristarに選ばれたい一心でオーディションだってステージであることを忘れていた3人は初心を思い出し, ステージでかえでを加えてTake Me Higherを歌う. オーディションの結果発表ではまずかえでがTristarのメンバーに選ばれ, 残りの一人は「今度こそファイナルオーディション」としていちご, あおい, 蘭の三人のうちから改めて後日選ばれることが美月から発表されたのだった.


感想

黒船来航(来校?)回でした.

かえでは蘭と同じく子供の頃から芸能活動をしていたようですね. タップダンスといい, 手品といい, とにかく人を楽しませることを大事にしていることが伝わってきました. いちごに日本ではタップダンスは受けないのかと聞いていたのもそういう点で印象的でした. きっとあのド派手な登場とド迫力のオーディションも観ている人が喜んでくれると思って企画したのでしょうね. しかし日本では(?), そういえば既存のアイデアの規模をとにかく大きくしてみようという発想はどうも受けが良くないような気がします(かえでもそこにギャップを感じているようです).

直線的に出来るところまでやってみる(e.g. 規模を最大化してみる)ことは発想としては一番はじめに浮かぶと思いますが, それを実現する(空間的にも精神的にも)余裕が日本には余りなかったのかもしれません. 例えば私はいままで空想で楽しんでいたものを現実に実現(再現?)されても面白いとは感じないのですが, こう, 規模を大きくするのも想像の余地を狭めている気分にさせるのかもしれません. 昔は夜は魔の領分であって, 水墨画で描かれた今では空想と知られている生き物たちは当時は本当に存在したと信じられていて――というような, 未知のものをあえて明らかにしないことによって想像力を働かせてきた場面を思いやってしまいます.

どのオーディション参加者もTristarに選ばれたいといういわば出世欲に支配されてしまっていました. いちごがサインを練習する回でもありましたが, アイドルはやはりステージで観客を楽しませることが本分であって, それを忘れてはならないのだ, ということをいちごたちはかえでを見て思い出したようです. 観客を楽しませるというとアイドルが消費されることを意識させるもので余り気分が良くはないと感じていましたが, アイカツ!の世界ではアイドルとデザイナーの関係がとても緊密であるように, アイドルとファンの関係も現実とは異なっているのかもしれません1. 一方でそもそもかえでは「目の前にいる人を笑顔にさせる」という意識を常に持っていて, 系として「ステージでは観客を楽しませる」という意識を自然と持っている印象でした. かえでお気に入りのブランドであるMagical Toyのトップデザイナー(名前はどうやらマルセルというようです)はストリートでピエロに扮して(?)バルーンアートを作って子供に渡したり, 手品を披露したりしていましたが, (もちろんデザイナーとしての視察という意識もあれ)それもかえでと同じ意識を持って行っているのでしょうね.

35話以降も楽しみです. Tristar, 最後の1人は誰でしょう……?


その他(箇条書き)

・海外暮らしのキャラの挨拶代わりの頬へのキスに驚く一同, というシーンはもはや様式美ですね.

・アイドルにはクライマーとしての才能も必要なのか(困惑)

・ゴールデンゲートブリッジのメインケーブルを砲弾を避けながら渡るのはもはや命知らずの迷惑Youtuberでもやりませんよね(ところでゴールデンゲートブリッジが自殺の名所であることを初めて知りました).

・ところでアメリカには「アイドル」という概念はあるのでしょうか? アメリカやイギリスに有名なボーイズグループがいる(いた)ことは風のうわさで何度か耳にしましたが, ガールズグループについては聞いたことがないような気がします. これにはそれなりの理由がある(はず)なので言及しませんが, かえでは日本のアイドルというより舞台の子役としての活動がメインだったように見えました.

・美月もそうでしたが, 一流のアイドルはふだんからオーラを醸し出しているのですね.

・かえでのマジカルトイのプレミアムコーデ, ちょこんとのっている帽子が可愛い!

・かえでの3Dモデルは最初期のモデルと比べて関節の動作が自然に感じます.

・Take Me Higherもカメラワークが最初期の曲と比べてだいぶ改善されているように見えます.


  1. 昨今のようにアイドルにも「自身は消費されることを拒否しつつSNSで他人を大量に消費し続ける」ような賢い仕草が求められているならば悲しいですね. ↩︎

アイカツ