毎日アイカツ!「第43話 不思議の国のアイドル!」

(記事作成日時:2021-06-25 09:09:03 +0900 JST)

概要

STAR☆ANISに参加せずに女優業に専念していた神谷しおんが次に挑むオーディションは, 不思議の国のアリスをモデルとしたとびきり可愛い笑顔が魅力的な明るい女の子役. しおんは自分の性格やふだん演じているクールなキャラクターとは全く異なるアリスの役を演じるため笑顔の練習をするも, 星宮いちごや子供がするような自然な笑顔をすることができず不安に悩んでいた. オーディション当日, いちごや霧矢あおい, 紫吹蘭たちスターライト学園の同級生がキャストとなっていることに驚きつつもしおんはオーディションをこなしてゆく. 物語が進むに連れ有栖川おとめ, 藤堂ユリカ, 北大路さくら, 一ノ瀬かえで, そして神崎美月とSTAR☆ANISのメンバーも登場し, しおん演じるアリスは美月扮する女王とゲームで対決して勝てばお家に帰れることになる. ソレイユの三人を人質に取られて一度は一生お城で暮らすことを決めかけアリスだったが, 自分の夢である女優になることを叶えるために元の世界に戻ることを決意してゲームに勝利し, とびきりの笑顔をみせてオーディションに合格. しおんは今までSTAR☆ANISに入らず少し後悔していたものの女優業を続けていたことは間違いではなかったことを確信したのだった.


感想

こうしてSTAR☆ANISに参加しなかったしおんに焦点が当たるのは嬉しいですね. しおんが初登場した際は(失礼ですが)しおんはその回限りの登場で, ぽわぽわプリリンのメンバーになったり, こうしてメイン回が再び設けられたりするほどのキャラクターになるとは思っていませんでした.

しおんは根が真面目で, 女優として演技の幅を広げるために新たなキャラクターを獲得しようとしてアリス役を希望したようです. しおんは女優としてのプロ意識が高い余り, 他の人が経験によって自然に獲得してゆく表情も無理に学習しようとして自然さがないと落ち込んでいる様子でした. これは私の本棚にあるいずれかの本に確か書いてあったような気がしますが(三島由紀夫の本?), 人は小説家になろうと志すと目に映るものを全て「描写する対象」と見なしてしまい, すると世界は既に小説家を目指していない頃と比べて活力を失っているのではないかという話があります. 俳優ももしかしたらそういうことがあるのかもしれません. 小説等は特にそれを書くうちに自分の世界をどんどんと狭めてゆく術を身に着けてしまうので, もしそういう沼にハマると世界に対する理解の広さが何となく違ってくるような気がします. 一方である特殊な一点について偏執的に考え続けがちなので, 理解の度合いについては一長一短どちらが良いという話ではありませんが, 私の感覚(また経験)としてはまず「自分が経験したものについて分析してゆく」という流れが自然であって, 経験していないものまで考えを及ばせようとすると上手くゆかないことが多かったかもしれません. そういう感覚を持っているつもりではいますが, 私も風景の一点にのみ強くフォーカスしてしまったり身体の一部を強く意識することがあって, 全体のバランスや構図ということが全く頭に入らないことばかりで悩ましいです. 私はどちらかというと(自称)肉体派なので, 考え事は行為の影に現れれば良いかなという考え方をしてしまいます(いきあたりばったりなので多少は考え事をしろという意識もありますが……).

さて, 今回はいちごたち友人がしおんのとびきりの笑顔を自然に引き出してあげるという話でした. あの笑顔はきっと演技ではありませんでしたが, しおんのことですから次からはあのとびきりの笑顔を学習していつでも見せられるようにするのでしょうね. 今回のように演じるという意識が強すぎたしおんにとっては友人たちのように素を引き出してくれる存在というのはありがたいですね. しおんは初登場の第14話(詳しくは第14話の感想をご参照ください)にもあったように, スターライト学園に入学した頃に周りが輝いて見え自身を失っていました. しおんはその際に他人を演じていることに魅力を感じて女優を志したようですが, しかし友人たちがとびきりの笑顔を引き出し教えてくれたように, 素のしおんもとっても魅力的なのですよね! しおんにはいつか演技をしていない自分自身の魅力にも直視して気づいて欲しいですね.

しおんは自分の理解していないキャラクターを演じることによって無理やり自分を積極的にしているように見えます(ぽわぽわプリリンのに参加した理由もそのようでした). もし, しおんがいちごと早く出会っていれば, 演技によってではなくいちごの影響によってしおんが積極性を獲得したかもしれず, するとしおんが女優になることを志すこともなかったのかもしれません. まさにいちご一会ですね(試合終了)

44話以降も楽しみです. 次はモア・ザン・トゥルー回!


その他(箇条書き)

・久しぶりに真夜中のフライハイが聞けました, めっちゃ良い曲ですよね. ベースが気持ち良い!

・「役者がぜんいん風邪でダウン」という学園長の台詞で現実でもコロナ禍のドラマ撮影がどうなっているのか気になりました. オーディションのキャストの代役が全員スターライト学園の生徒だとスターライト学園の学生に有利に働いてしまうのでは, ということはご愛嬌ですね.

・しおん, いちごとあおいはちゃん付けで蘭はそのまま蘭呼びなのですね……いちごとあおいは編入組なので, 蘭とは(少なくとも半年程度は)長い付き合いだと思いますが, どこで仲良くなったのでしょうか……? どちらかというとあおいとのほうがドラマ撮影で一緒に過ごす時間は長かったのではないかと思います.

・無限に紅茶を飲み続けるしおん, 可愛すぎる. あと蘭の衣装似合いすぎ……!

・この曲! 右回りWonderland! 50000000000000000000000000000000000000000000000回聞きましたが, これも名曲ですね. 真夜中のフライハイ同様にライブで聞けないことが残念です……. 今回はライブがなかった代わりに2曲も名曲が聴けて大満足です.

・木になったジョニー…….


アイカツ